特別座談会

YGエンターテイメント 特別座談会

K-POPのオーディションでチャンスを掴む

BIGBANG、WINNER、BLACKPINK、TREASUREなど、数多くのグローバルアーティストを輩出。
アジアのみならず、全世界におけるK-POPの旗手として進化を続ける。2023年には本校がサポートし、日本全国オーディションを開催した。

YGエンターテイメント A&Rグループ
オーディションキャスティングチーム長
ソク・ウンジェ

  • 大阪スクールオブミュージック高等専修学校 岡本さん

  • 福岡スクールオブミュージック高等専修学校 佐藤さん

  • 福岡スクールオブミュージック高等専修学校 清永さん

  • 札幌ミュージック&ダンス・放送専門学校 高等課程 髙橋さん

チャンスの扉を見つけたら飛び込んでください!

ソク YG ENTERTAINMENT(以下YG)では、新人発掘はキャスティングチームが担当しており、私はそのキャスティングチームのリーダーをやらせていただいています。

学生 新人発掘は、どのようにされているのでしょうか?

ソク ダンス大会のような人が多く集まるイベントを見に行く事もありますし、プラットホームでの気軽に参加できるようなオーディションの開催や、Instagramもよくチェックしています。それから、興味はあるけれど歌やダンスの経験がないという人のために、ダンスや歌の1DAY体験会なども開催しています。他には少ないですが、関係者からの紹介などもあります。

学生 オーディションには、どんな種類がありますか?

ソク NEVERやカカオチャンネルをつかったオーディション、InstagramのDMオーディション、HPでもマンスリーオーディションを開催しています。1人でも多くの方にお会いしたいので、「面白そうだからやってみよう」と気軽に応募してもらえるのにはどうしたらよいのか、私たちも日々考えています。皆さんにサポートしていただいて開催した全国オーディションのような企画も、今後もどんどん実施していきたいです。

学生 Instagramは、どのようにご覧になられているのでしょうか?

ソク K-POPやダンスに興味がありそうな人や、『#yg』『#練習生になりたい』のようなハッシュタグのついた投稿は、よくチェックしていますよ。

オーディションは日々のたゆまぬ努力を発揮する場

学生 オーディションから、練習生として合格するまでの流れを教えてください。

ソク スカウトやオーディションの1次審査を通過すると、2次審査となります。

学生 2次審査は、対面ですか?

ソク 基本的には、韓国のYG社屋内での対面となります。でも、グルーバルオーディションでは現地で対面する場合もありますし、Zoomなどのオンラインを使用する事もあります。状況に併せて、ケースバイケースで設定します。

学生 2次審査は、1人あたりどのくらいの時間をいただけるのでしょうか?

ソク 1人あたりの時間は、30分くらいでしょうか。歌やダンスを見せていただくのはもちろん、インタビューにもしっかり時間をとります。

学生 どんな事を聞かれるのでしょうか?どう答えるのがよいのか考えると、緊張してしまいそうです……。

ソク インタビューの大きな目的は、これから一緒にやっていく人がどういう人なのかを知るためにあります。正解があるわけではないので、あまり気にせず答えてもらって大丈夫ですよ! それから合格したら練習生生活ができるのか、本当に頑張っていけるかの意思確認もここでおこないます。

学生 最終審査も韓国での開催ですか?

ソク はい。基本的には、練習生の月末評価でプロデューサーが本社にいるタイミングがあるので、ここで開催をしています。ただこの最終審査は、2次審査同様に通過者の状況により決定し、必ずあるわけではありません。プロデューサーは映像資料を見ていますので、その映像を見た段階で決定する場合もありますし、追加映像をお願いする事もあります。

特技は、歌やダンスの基本ができているからこそ活かされる

学生 御社でのオーディションでは、合格のための基準はあるのでしょうか?

ソク 実力はもちろん必要ですが、人として魅力を感じられるかどうかという事が一番大切です。YGでは候補生と呼ばれる制度があり、魅力はあるのに実力が足りないという場合は、レッスンを受けてもらう事も可能です。

学生 ラップなど、特技があったほうがプラスになりますか?

ソク そのオーディションで、どのようなプロジェクトメンバーを探しているかによります。ラップができるメンバーを探しているのであれば、プラスになるかもしれません。ただラップができるから合格するのではなく、歌やダンスの基本的なことができているうえでのプラス査定程度だと思います。

学生 オーディションでの、服装や楽曲はどのようなものがよいのか教えてください。

ソク 制服でもよいですし、シンプルな学生らしい服装がよいですね。楽曲に関しては、日本語の楽曲でもK-POPの楽曲でもどちらでもよいので、自分が一番自信のある曲にしてください。やはり皆さんは、オーディションでは緊張しますか?

学生 はい、緊張で失敗してしまいそうで不安です。

ソク デビューした先輩アーティストでも、大きなステージでのパフォーマンスに緊張をしないわけではありません。その不安な気持ちに打ち勝つには、失敗しないように練習をするしかないのです。オーディションの様子を映像で見ると、自信のない人は目線がどうしても下がっています。それだとあまりよい表情に見えませんので、基本的なテクニカルは練習で終え、本番ではカメラをちゃんと見て表現する事に徹してください。それから、誰の前でもベストのパフォーマンスができるように、ご家族にも是非見てもらってくださいね。

インプットとアウトプットを重ね、表現者として自分の引き出しを多く持つことが重要

学生 練習生に選ばれると、どのような育成メニューがあるのでしょうか?

ソク これに関しては、新人開発チームの業務ですので、基本的な事だけでよいでしょうか。育成メニューは基本的に3段階あります。最初は、ベースとなる歌とダンスを作り上げ、次の段階では、それぞれに個性となる武器を作ってあげます。武器というのは、例えばダンス・ボーカル・ラップなど、本人の意思も踏まえてスタッフが見極めていきます。最後の段階では、もっとイメージアップするために、ビジュアルチームやA&R(所属アーティストに対して育成・楽曲提供・宣伝戦略を行う)がはいります。そして、スピーチのレッスンやマナーのレッスン、ビジュアル面の強化なども行います。

学生 韓国語はできたほうがよいですか?

ソク 外国籍の方への韓国語のレッスンはありますので、必須ではありません。ただ、唯一自分でも事前に勉強しておける事ですので、やっておいて損はないです。どうしても日本語でレッスンできる先生は少ないので、そうなると韓国語ができない人はできる人に比べ、レッスンの内容を理解するのに時間がかかってしまいますので。

学生 歌やダンスの実力以外に必要なことがあれば教えてください。

ソク 可能な限りいろんなことを経験してください。その経験で多くの引き出しができて、人としての魅力にもつながると思います。

学生 練習生からデビューするまで、どのくらいの期間が必要ですか?

ソク 基本的には、デビューまで一緒にやっていきたい人を合格させていますので、人それぞれです。長い人は7年、最近では1年くらいの短期間でデビューした子もいました。

最後にこれからのK-POPの業界を目指す皆さんに一言お願いします。

ソク 私は日本で働くために、一切韓国語は使わず、独り言も日本語で言えるように頑張りました。あのとき努力したからこそ、今の自分があると実感しています。努力が無駄になることは絶対にありません。皆さんも後悔しないように、自分の夢のために努力を続けてください。YGエンターテイメントは、一人でも多くの人と出会えることを楽しみにしております。

HYBE 特別座談会

アジアにとどまらず世界を席巻する「BTS」や「TOMORROW X TOGETHER」を擁し、
「We believe in music」というミッションのもとグルーバルトレンドをリードする。

HYBEキャスティングチーム長
ホンスンウ

  • 名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校高等課程 竹元

  • 大阪スクールオブミュージック高等専修学校 庄田

  • 大阪スクールオブミュージック高等専修学校 ティアラ

  • 福岡スクールオブミュージック高等専修学校 児玉

  • 神戸・甲陽音楽ダンス&アート高等専修学校 松田

  • 東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校 岡田

  • 東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校 小出

  • 札幌ミュージック&ダンス・放送専門学校 藤岡

K-POPを通して皆さんが夢中になれる体験を提供

生徒 御社がオーディションにおいて最重視するのは、どのようなところでしょうか?

ホン 重要な要素はとてもたくさんありますが、そのなかでひとつあげるとすれば、その人が持っているスター性、オーラというのでしょうか。つまり、隠しきれない魅力や才能を見ます。また、その人がもつ人柄も審査の大事なポイントとなります。

生徒 オーディションの結果に、年齢は関係ありますか?

ホン 会社ごと、プロジェクトごとに条件が違いますので、応募条件に合っていれば、キャスティングされる可能性はあります。

生徒 オーディションでの自己紹介や服装は、どのように準備するのがよいでしょうか?

ホン オーディションを受ける際に最も重要なのは、いかに自分をアピールできるかどうかということです。まず、自分の年齢に合わせて準備することも大切なポイントで、例えば生徒は制服を着てオーディションに参加してください。そして自分の歌やダンスをよりよく見せるためには、自分が好きで得意とする音楽ジャンルを研究し、より実力を高められるよう練習をして参加してください。

生徒 オーディションで披露する歌やダンスは、どのように準備すればよいでしょうか。

ホン ただK-POPスターになりたいということよりは、もう少し詳細に「どういうアーティストになりたいのかを考え、戦略的に準備するとよいと思います。そのオーディションがどんな企画のもと開催されているのか、どんな人材を求めているのか知ることも大切です。音楽に関しては、各社で追及しているジャンルがあると思うので、所属アーティストやアルバムを研究をしてください。また、音楽業界の中で影響が高いとされるビルボードチャート(アメリカ)やUKチャート(イギリス)など、定期的に聴くことによって、いま世界的にどんな曲が流行っているかを知ることができます。そのように、常に最新の音楽に触れあっていくことも大切です。

生徒 歌やダンスの表現力はどのように高めていくことができますか?

ホン 歌やダンスの表現力を高める方法はとても多く、先生によっても答えは違うと思いますが、一番役立つ方法のひとつとして、私の経験から言わせていただきます。それは、自分が準備をしている曲のオリジナルのアーティストのミュージックビデオやライブを見ながら、ジェスチャーや表情などを真似することです。そして少し恥ずかしいかもしれませんが、その様子を撮影しておきましょう。自分の踊っている様子を見ながら、「どこが似ているのか」「何が足りないのかなどを研究することは、とてもよいトレーニングになります。ダンスの実力は練習を重ねることであげることができますが、表現力は研究することも必要です。ビジュアルや動きの真似をするというこの方法は、実際に弊社のなかでも実践しています。ファンの人がそのアーティストのどんなところに魅力を感じているのかを知ることにもなるので、表現力を高めるのにとても役立つのです。

生徒 オーディションを受ける時点で、韓国語や英語など、語学はできたほうがよいでしょうか?

ホン 話せるということは自分自身の武器になるので、その点ではよいと思いますが、ただそれが最優先になってはいけません。母国語以外の言語を話せるから合格するとは言えませんし、話すことができなくても、レッスンで学習していけばいいので問題はありません。

生徒 オンラインのオーディションと対面のオーディション、それぞれどんなことに気を付けるとよいでしょうか。

ホン コロナ禍以前とくらべて今は、韓国でもオンラインオーディションがより活性化しています。オンラインオーディションでは直接会うことはできないので、まずは写真や動画の提出があります。ここで大事なポイントは、写真や動画を準備する際、フィルターやアプリなど使わずに、ありのままの姿を見せるということです。フィルターなど使用してよく見せようとしても、再提出になってしまうこともあります。オンラインに対して、対面オーディションはオフラインオーディションといいます。オフラインオーディションでは、原則的に歌やダンスを1曲ずつ準備してもらいます。でも現場で「もっと見せてもらえますか?」など言われる場合があります。その際には準備している曲のほかに2、3曲ほど準備しておけば、「私はいつでも準備しています」というアピールポイントにもなりますし、より多くの自分の魅力をみてもらうことができます。

生徒 オーディション以外に、どのような方法で練習生を探していますか?

ホン そうですね、オーディション以外でもさまざまな方法で頑張ってキャスティングをおこなっているので、他のアイデアがあればぜひ教えてください(笑)。SNSを活用するのはもちろんですし、コンテストやダンス大会なども利用しています。登下校時間に、たくさんの生徒がいるような場所に足を運ぶこともあります。

生徒 インスタグラムなどでキャスティングされるためには、どのようなことに気を付けるとよいでしょうか。

ホン 弊社が主にターゲットにしている10代の皆さんはSNS を活発に利用されていると思いますが、実際にSNSを通したキャスティングを行う際には、その人があげているフィードを全般的にモニタリングします。なので、たとえ冗談だとしてもコメントの中で生徒としてよくない言葉遣いはしないほうがよいです。今後皆さんはアーティストになることを夢に頑張っていきますよね。であれば、自分がアーティストになったときに問題になるような言動は避けたほうがよいです。自分が幼かったゆえの発言といっても、後になって大変なことになってしまうことを想像してください。

生徒 K-POPは、どうして今世界中で人気があると思いますか?

ホン K-POPというジャンルは単なる音楽だけではなく「パフォーマンス」「ビジュアル」「衣装」など、ファンの皆さんに夢中になれる体験を提供する総合的なコンテンツとして差別化されているのではないでしょうか。そのクオリティをあげるために、韓国市場のなかでも激しい競争があります。そのうえで努力と犠牲があり、世界的なレベルにまでなりました。他社に比べてなのですが、HYBEでは、コンテンツのうち最も「音楽の力」を強調しています。それはBTSが世界で評価されている理由のひとつでもあると感じています。実際にまだデビューをしていない練習生たちは、トレンドをメインとした作曲作詞トレーニングを積極的におこない、世界的なクオリティに合わせる努力をしています。スカウトされて最初からそこまで詳しくなかった練習生もいますし、皆さんも自分なりに努力をしてください。

生徒 これからK-POPはこれからどのように発展していくと思いますか?

ホン コロナの影響は音楽市場に危機感を与えましたが、BTSの「Butter」「Dynamite」といったメガヒットソングが生まれきっかけにもなりました。それは、これらの楽曲が希望のメッセージを伝えられたことにあると思います。私の個人的な考えなのですが、コロナ禍以降は、世界の音楽市場が過去に比べても、最もコネクトされたのではと感じています。言い換えると、物理的な制約を経て接近性が上がったともいえるでしょう。世界の音楽チャートでも、出身国を問わず同じアーティストの楽曲が1位をとることも多くみられます。それは世界中の人々の音楽トレンドが国ごとではなく、ある程度似てきている傾向ともみられます。このように類似性が見られるトレンドがどんどん広まるなかで、K-POPは今のクオリティを維持しつつ、より発展していくべきではないでしょうか。

生徒 ところで、コロナ禍前後で比べると、皆さんの生活も変化してきていると思います。我々はそのような変化も気になるのですが、放課後などどのように過ごしていますか?

ホン コロナの影響は音楽市場に危機感を与えましたが、BTSの「Butter」「Dynamite」といったメガヒットソングが生まれきっかけにもなりました。それは、これらの楽曲が希望のメッセージを伝えられたことにあると思います。私の個人的な考えなのですが、コロナ禍以降は、世界の音楽市場が過去に比べても、最もコネクトされたのではと感じています。言い換えると、物理的な制約を経て接近性が上がったともいえるでしょう。世界の音楽チャートでも、出身国を問わず同じアーティストの楽曲が1位をとることも多くみられます。それは世界中の人々の音楽トレンドが国ごとではなく、ある程度似てきている傾向ともみられます。このように類似性が見られるトレンドがどんどん広まるなかで、K-POPは今のクオリティを維持しつつ、より発展していくべきではないでしょうか。

ところで、コロナ禍前後で比べると、皆さんの生活も変化してきていると思います。我々はそのような変化も気になるのですが、放課後などどのように過ごしていますか?

生徒 なかなか屋内で集まったり遊んだりできなくなってしまってからは、公園に集まって鬼ごっこをして遊んだりしていました。

ホン なるほど、公園には生徒達が集まっているんですね。それは参考になります。

生徒 1人でいる時間が増えたので、前にも増してYouTubeなどで動画や音楽を楽しむ時間が増えました。私は親元から離れているので、状況が緩和されたときに安心して帰られるよう、こちらでの生活は制限して気を付けています。

ホン そうですね、後々の大切な時間のために体調管理ができるということは、どの状況においてもとてもよい習慣だと思います。私たち側も皆さんが音楽を研究するように、ターゲットになる層が普段どんなことをしているのか、どんなことが流行っているのか、いつもとても気になっています。皆さん教えていただき、ありがとうございます。どうぞ質問を続けてください。

生徒 オーディションで歌の動画を送る際、歌もラップも聴いてもらいたい場合は、両方はいっていた曲がいいのか、別々の曲のほうがいいのか教えてください。

ホン 韓国では1曲にふたつの要素がはいった“シンキング・ラップ”というジャンルの曲が今とても増えています。どちらにしても、どうアピールしたいのか自分次第だと思います。それを見せなくてもよいという人はいないので、自信をもって時間配分だけ考えて準備をしてください。

生徒 審査が進んだ場合、審査基準は変わっていきますか?

ホン オーディションとしてのテーマはありますが、決まった選考基準があるわけではありません。ただ1人に対する審査時間は限られているので、自分自身がみせたいものを圧縮してみせる必要があります。審査する側に「もっと詳しくみてみたい」「話してみたい」と感じさせることができたら、次の審査に進めると思いますよ。

生徒 御社のオーディションで好まれる音楽のジャンルがあれば教えてください。

ホン 弊社では、ヒップホップやポップを得意としていますので、そのジャンルをぜひ見てみたいですね。

生徒 先ほど表現力を高める方法として、ダンスをコピーすることが訓練になるとお話をされていましたが、実際のオーディションでは、コピーダンスとオリジナルダンスのどちらをみていただくのがよいのでしょうか。

ホン あなた自身はオーディションで、どちらを見て欲しいですか?

生徒 オリジナルダンスです。

ホン オリジナルダンスのほうが、自信があるということですよね? 私も、どちらが見たいかといえば、オリジナルダンスのほうになるでしょう。ただこれは、オリジナルダンスに自信のある人に限られます。あなた自身、オリジナルダンスに自信があるのであれば、それを見せてください。加えてアドバイスをするのであれば、自分のオリジナルダンスに対して、これはどのような意図でつくったのか説明ができると、よりよいと思います。

生徒 日本人で K-POPアイドルになりたい人に、メッセージをお願いします。

ホン 実際多くの生徒が「私にはたぶん無理だろう」と先に諦めてしまう傾向がありますが、自ら判断するにはまだ早いです。チャンスは誰にでもあるので、オーディションや自分をアピールできる場があれば、挑戦を続けてください。夢が叶ってアーティストになったとしても、そのチャレンジする精神はとても重要です。

生徒 本日は貴重な時間ありがとうございました。この貴重な経験を活かせるよう、今後も頑張っていきたいと思います。最後に是非ひとこといただけますでしょうか。

ホン こちらこそ、ありがとうございました。私自身も、皆さんにアドバイスすることで、とても勉強になりました。アーティストになることを夢みる多くの皆さんが頑張って夢をかなえたときに、現場で会えれば、これほど嬉しいことはありません。本来は直接お会いできるとよかったのですが、このような状況でしたのでそれが叶わずとても残念です。近い将来落ち着いたら、日本に会いにいきますので、その際はぜひウエルカムしてくださいね。楽しみにしています。

SM ENTERTAINMENT
特別座談会

K-POPのオーディションやお仕事について

今や世界の音楽シーンを
席巻するK-POP。
各事務所が続々と日本オーディション
を開催しているなか、
「オーディションには
どんな服装で行けばいい?」
「何を歌えばいいの?」
「どんな人がK-POPの
スタッフに向いている?」
そんな疑問を持つ方も多いはずです。
そこで今回、専門課程と
高等課程の在校生達が、
K-POPの第一線で活躍する
スタッフの方に
質問をさせていただきました。

  • NSM高等課程 野村さん

  • TSM高等課程 強矢さん

  • 神戸甲陽高等専修学校 原田さん

  • TSM高等課程 清水さん

  • TSM 渋谷 K-POP アーティストマネージャー専攻 土屋さん

  • TSM 渋谷 K-POP アーティストマネージャー専攻 深井さん

  • DATOKYO K-POPダンサー&アーティスト専攻 白井さん

  • TSM 渋谷 K-POP アーティスト専攻 アカイラル MJさん

より多くの人に支持されるK-POPアイドルを目指して

Q. まずスタッフについてお伺いします。K-POPの現場では、どのような人材が求められているのでしょうか?

A. この事務所も共通していると思いますが、部署によって業務が異なりますので、その部署ごとに必要とされる人材は全く違います。自分がどのような業務につきたいのか目標が定まると、どんな能力を必要とされているか分かるのではないでしょうか。共通しているのは、『K-POPについて、どのぐらい関心や興味を持っているのか』『より多くの人に支持されるK-POPアイドルを作りたい』『情熱を持って 頑張って働いていける』といった気持ちを持っているのかどうかです。そして、現場では体力も必要ですね。

Q. キャスティング業務をする際に必要な資質は何でしょうか?

A. まずは原石を探す仕事なので、ア ーティストになれる素質を見抜く眼目を持っているのが大事だと思います。それから、主に10代の子と接する事が多いので、相手の年代問わず人とのコミュニケーションが上手に取れるかどうかではないでしょうか。

Q. スカウト活動は、どんなところでされているのですか?

A. 若い人が集まるような町や、イベント会場などにはよく行きます。

Q. 語学に関してですが、事前にどのくらい習得しておく必要があるのでしょうか?

A. 自分の考えている事をちゃんと伝えるのはもちろん、周りとコミュニケーションを取る事が一番重要です。韓国の会社で就職したいと思ったら、そこの部分はきちんと準備すべきだと思います。日本人のスタッフの方もいらっしゃいますが、「あれ? 日本人の方だったのですね!」と、後で気がつくレベルで韓国語が完璧でした。

上手に聞こえるようにするのではなく、100%の実力をだせる努力を

Q. オーディション中は、一番にどんなところを見ていますか?

A. 才能と実力があってビジュアル面が完璧な人がいたとします。それは素晴らしい事なのですが、全て揃っていなければ合格しないというわけではありません。グループになった時のバランスを考えますので、例えば何か1つでも秀でた才能があったり、これから磨いたら優秀になれるのかどうかといった視点を持つようにしています。

Q. 今までのオーディションの中で、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

A. 既に活躍されているアーティストなのですが、その方はオーディションを受けた時は小学生でした。年齢を感じさせないくらいにダンスがすごく上手ではあったのですが、それよりも「この子は絶対にデビューするだろう」というようなオーラを感じました。やはり合格するには、ダンスや歌の実力だけではない、何か光るものを持っているという事なんだと思う経験でした。

Q. オーディションのエントリー曲は、どのように選べばよいのでしょうか?

A. 審査する側が 判断しやすい曲がよいと思います。例えばずっと同じ音程が繰り返される曲だったり、あまりメロディーのないような曲だと、その人がどのくらい歌えるのか判断が出来ません。『自信がない』をカバー出来るように、自分には上手に聞こえる曲を選ぶのかもしれませんが、逆効果ですね。

Q. 韓国の歌と日本の歌では、どちらがよいのか悩んでいます。

A. これもよく聞かれる質問です。オーディション審査をしている側からしてみると、 まだ韓国語の発音が完璧ではない状態の韓国語の歌を聞いても、発音が聞き取りにくく、この人がどのくらい歌えるのかが分からなくなってしまいます。きっと本人も歌詞に気を使いすぎて、知らぬ間に音程が狂ったりしてしまうでしょう。絶対に、自分が1番楽な言語で 歌った方が実力を出せるはずです。頑張って韓国語の曲にチャレンジしてくれた事はありがたい事ではあるのですが、そういう場合は必ず日本語の歌も歌ってもらったりはします。

Q. メイクや服装は、どのようなものが好ましいですか?

A. 女性の場合はメイクをしっかりするよりも、元の顔をそのまま見せてもらいたいですね。服装は骨格を見たいので、体のラインがある程度見える方がよいです。意外とワイドパンツの方も多いのですが、体のバランスが分かりづらいです。TシャツとGパンのようなシンプルな服装をおすすめします。

Q. K-POPのダンサーのオーディションはありますか?

A. 一概には言えないのですが、K-POPアイドルの事務所が、ダンサーを募集する事はあまりないですね。ダンサー希望の方は、皆さんがご存じのような有名なダンスチームがいくつかあると思うので、そちらの情報を集めてみるのがよいかとは思います。

Q. オーディション合格者の年齢制限について聞かせてください。

A. 比較的に低年齢の方を探している傾向はあります。ただ、年齢が高い方に全くチャンスがないわけではありません。既にある程度セットされているチームでメンバーを探す事が、どこの事務所でもあります。その場合は即戦力としてある程度の実力が求められますので、練習を重ねた年齢の高い方にとってはチャンスなのではないでしょうか。

今出来る限りの事を全力でやり抜いて

Q. どの事務所のオーディションを受ければいいか悩んでいます。

A. それぞれの事務所には特徴がありますし、アーティストの雰囲気や方向性も違います。 正解はないので 、まずチャレンジしてどちらの事務所なら自分の夢をかなえられるのかを考えてください。

Q. K-POPの現場で働く皆さんは、キャリアアップはどのように考えられているのでしょうか?

A. ここ数年で、K-POPの世界における認識が劇的に変わりました。10年前は、日本や中国などのアジアがK-POPのマーケットの中心でした。それが今では、アメリカや世界にマーケットが広がりましたよね。誰もがこんなにグローバル化するとは想像をしていなかったと思います。何があるかは誰も予測出来ないので、キャリアアップというよりは、今関わっている仕事の結果を出す事を念頭に置いて日々職務に励んでいます。

Q. マーケットがグローバル化した理由はどこにあるのでしょうか?

A. YouTubeやSNSの発達でしょうか。どのプラットホームを使ったら計画の結果が広がるのかなど、以前に比べて考えるべき事案は増えてきています。

Q. グローバル化が進むK-POP業界は、今後どうなっていくのでしょうか?

A. 私達がこれから作り出すアーティスト次第だと思います。今がこのまま永久に続くわけではなく、グローバルに活動できる新しいアーティストが次々にでてくるような状況でないといけないのは確かです。そのためには、各社が常に次なる優秀な人材を探していると思います。

Q. 練習生からデビューできるのはどれくらいの確率なのでしょうか。またデビューするまでの期間を教えていただきたいです。

A. キャスティングに関しては、1年間で何万人もオーディションを受ける中、その中からデビュー出来る確率はご想像通りだと思います。でも確率が高い低いで挑戦するわけではないと思うので、いつでもその時求められる人材になれるよう努力を続けてください。

Q. 練習生からデビューまでは、どのくらいの期間が必要ですか?

A. 平均的に3年ぐらいかかりますが、決まった期間ではないですし、各練習生の状況によって少しずつ差があります。

Q. 最後にこれからK-POP業界を目指す皆さんにひとことお願いします。

A. 韓国やK-POPに親近感や興味を持ってくださる方が増えて、とても嬉しいです。今トップで活躍するアーティストの皆さんも、最初は誰もが皆さんと同じようなダンスや歌が大好きな学生でした。そのような原石を発掘し、彼ら彼女が才能を伸ばしてデビューしていく姿を見ると、やりがいを感じます。この学校のように、皆さんの夢の実現を応援してくれる場所があるのは素晴らしい事です。皆さん、夢に向かって頑張ってください!

ワークショップ
在校生特別

K-POPのオーディションやお仕事について

業界の第一線で活躍するトップランナーから直接学ぶことができるワークショップ
hana先生にダンスや振付について、参加学生からの質問にお答えいただきました。

hana(That crew) 先生
TWICEの日本人メンバーモモの実の姉であり、東方神起 tour WITH サポートダンサー、関西コレクション振付・出演、IZUMI companyダンスコンテスト準優勝など。

踊る時に意識していることやダンスを踊る時に注意するべきことはありますか?

音楽をよく聞くこと。音に合わせた動きや踊り方を変えて表現すること。
曲の雰囲気や歌詞、内容を考えて踊る。家に帰ってからも、今日の歌詞ってどんな意味だったのだろう?と調べてイメージを膨らませるなど、曲に合わせることを一番意識しています。

ダンスのレベルアップをするために工夫していることはありますか?

ダンスをするうえで一番大切なのは基礎です。アイソレーションやリズムトレーニングなど、どのジャンルでも必要となるものです。ベースができていないとたとえその振りができていても、別の振りになるとできなくなってしまいます。何でも踊れるように、色んな基礎を積み上げてほしいと思います。私は、インストラクターとして様々なジャンルを踊ることもありますが、やっぱりそれぞれのダンスの基礎ができていないと踊れません。だからといって、色んなことをやりすぎて、結局自分が何をしたいのかわからなくなってはいけないので、自分のやりたいジャンルはきちんと追究していく、それにプラスして自分の必要だと思うことを取り入れてもらえたらいいのかなと思います。

振りを早く覚えるコツはありますか?

振り覚えの早さにコツっていうのはなくて、自分が集中するしかないですね。たくさんレッスンを受けていると振りの引き出しが増えるので、すべて積み重ねです。早く覚えられなかったとしても、その分練習すればいいので、自分で努力する・集中するということを心掛けてもらえたらと思います。

最後にメッセージをお願いします。

ダンサーもインストラクターも、またその他の職業に就きたいと思うならめっちゃくちゃ頑張らないといけません。最近は誰でもイベントに出演したり、ナンバーを出せたり簡単になりました。大事なのはそこから先、自分がどうなっていきたいか、どういった人になっていきたいかの目標を持って行動することだと思います。やりたいこと・なりたい自分に近づくためにひとつずつやっていくことです。
K-POPアイドルになりたいと思うなら、普通の人と同じ生活をしていたらなれないですし、食事や生活面も大切です。ただ学校に来て、レッスンを受けての毎日を繰り返しているだけの生活なら上手くなりません。自分でどうやってこの学校生活の時間を使うのか、やりたいこと・なりたいものを目指して努力するのを忘れないでいてほしいと思います。頑張って!

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